漫画『君たちはどう生きるか』を読みました。とても素敵な本だった。
2018年、話題性No.1の本だよね。何がよかったの?
大事な部分をサラっと読める手軽さが何より良いね。
中身についてはどうだった?
原作が児童書だけあってわかりやすい。人間の大事な真理を説いていて『自ら思考する大切さ』を改めて痛感する一冊。中学・高校生にも読んでほしい内容だった。
- タイトルだけは聞いたことがある
- 本屋で表紙だけはみたことがある
- 中身はよくわからない(興味ない)
大人の方々にもぜひ手にとってもらいたい。
大人なら本当にサラっと読めます。
『大人が子どもに教えなければならない』
そんな内容がぎゅっとつまった一冊でした。
本のあらすじと感想を綴っていきます。
漫画版『君たちはどう生きるか?』のあらすじ
知的好奇心旺盛な少年「コペル君」と、彼を亡き父親の代わりに見守る教養ある「おじさん」。そんなふたりの心温まるやりとりを通じて、生きる意味を平易に、深く説いた児童向け教養小説の古典が初めてマンガ化された。(中略)
原作に「ノート」として挟まれるおじさんからコペル君への助言は、あえてマンガ化せず、テキストとして掲載。〈ものの見方について〉〈真実の経験について〉〈人間の悩みと、過ちと、偉大さとについて〉といった深遠なテーマについて、原作同様、読者自身に自分の頭で考えさせる本として仕立てられている。
「原作はコペル君の成長が主題ですが、マンガではおじさんもコペル君を導きながら一緒に成長していくような要素を加えました。工夫が功を奏してか、若い方はもちろんのこと、ご年配の方もおじさんの目線に自分を重ねて本書を楽しんでくださっている手応えがありますね」(担当編集者)
漫画だけど漫画じゃないよ!『おじさんノート』は必読だった
ワンピースみたいな漫画をイメージしてこの本を手に取ると、読み切るのがキツイんじゃないかな?と思います。それなりの量の活字が登場するんですね。
各章は漫画で描かれているのですが
漫画仕立てのエピソードのまとめとして
『おじさんノート』が登場します。
この部分は活字のみで書かれています。
おじさんノートこそ本作で伝えたい内容が
ぎゅっとつまっている部分なので
絶対に読まないといけません。
『漫画だけど漫画じゃない』
エピソードの部分が漫画になっているから
それでもかなり読みやすかったですけどね。
漫画『君たちはどう生きるか?』は6つのおじさんノートが大事!
1つずつ内容と感想を綴っておきます。
1.ものの見方について
『広い世界の一分子』だと感じた主人公のコペル君。
この章のインパクトは抜群でした。
天動説から地動説へと変わった例を引き合いに出して、人間の「ものの見方」についてわかりやすく考察をしているのが本章。
- 自分を中心に世界が回っていると考えてしまう
- 自分の都合のよいことだけ見ていこうとする
そんな性質の根深さを説いています。
「自分が中心でないんだ」という腹落ちした気づきは
「無知の知」ともいえる発見だと思う。
2.真実の経験について
『油揚事件』を切り口に、主人公のコペル君の心が動いた話から『真実の経験』について説くのが本章。
だから、こういうことについてまず肝心なことは、いつでも自分が本当に感じたことや、真実心を動かされたことから出発して、その意味を考えてゆくことだと思う。
『自分で感じたこと・考え抜いたことを大切にしなさい』
とてもシンプルでわかりやすい教えですね。
大人になると感動する経験はどんどん減っていて自分の感じたこと・考えたことを大切にするなんていう発想がなくなりがちです。そんなときに自分が過去、何を感じ・考えたのか?を知る方法があればな~なんて思います。
具体的には中学、高校、大学と自分が感じたことを文章として残しておけばよかったなという後悔。過去の自分からの気づきって、意外とはっとさせられるんですよ。
3.人間の結びつきについて
- 人間らしい関係って何だろう?
- 人と人との結びつきって?
そんな疑問を考えるきっかけを作るのが本章。
『疑問をどこまでも追っていく』
本章でもまた重要性を強調しています。
子どものころに経験できると良いですね。
自分の疑問(好奇心)を追求していくには環境も必要だから、先生や親がとことん付き合っていき、ときには導いてあげることも重要なんじゃないかと。
4.人間であるからには
僕はこの章が好きですね。
一部、引用して紹介します。
なるほど、貧しい境遇に育ち、小学校を終えただけで、あとはただからだを働かせて生きてきたという人たちには、大人になっても、君だけの知識を持っていない人が多い。幾何とか代数とか、物理とか、中学以上でなければ教えられない事柄については、ごく簡単な知識させもっていないのが普通だ。ものの好みも、下品な場合が少なくない。
こういう点だけから見てゆけば、君は、自分の方があの人々より上等な人間だと考えるのも無理はない。しかし、見方を変えて見ると、あの人々こそ、この世の中全体を、がっしりとその肩にかついでいる人たちなんだ。君なんかとはくらべものにならない立派な人たちなんだ。
さて、なぜこんなことが言えるのでしょうか。
5.偉大な人間とはどんな人か
ナポレオンの一生を説明しながら
『偉大な人間』について説いていきます。
ナポレオン、すげえ。
素直にこの感想しか出てこなかった。
君も大人になってゆくと、よい心がけをもっていながら、弱いばかりにその心がけを生かし切れないでいる、小さな善人がどんなに多いかということを、おいおいに知ってくるだろう。
『弱さゆえ、生かし切れない小さな善人』
そうならないために、どうすればいいのだろう。
考えることにヒントがあるかもしれない。
6.人間の悩みと、過ちと、偉大さとについて
- 過ちを認める大切さ
短い本章で最も伝えたいことだと思います。
大人になるとどんどんできなくなりますね。
『ごめんなさい』を言えない大人がどれだけ多いことか。
漫画『君たちはどう生きるか?』から受け取った強いメッセージ
自分の頭で考えて、行動しなさい
ものすごく簡潔に言うと、そんなメッセージを受け取りました。
子どもたちに向けられて書かれた内容ですが
大人になったいまでも当てはまることだと思います。
自分で考えた結論が『世の中の誰かが既に見つけていること』であっても、自分で考えたこと・行動して学んだこと自体に価値があるんだと、この本は教えてくれています。
自分の頭で考えてたどり着いた結論の大半は、過去の偉大な人たちによって発見されていることなのだと知ることも大事。
過去から少しずつ積みあがってきた大きな流れの中に自分は生かされているんだと感じる(宗教かな?)と同時に『もっと歴史を知りたい』そんな気持ちになったかな。
大人になると物事に対して『なぜだろう?』と疑問に持つ機会は少なくて、『こういうものだ』という今まで生きてきた経験からの決めつけが生じます。人生経験が豊富で答えにいち早く辿りつけることは決して悪いことばかりではないのですが、『思考しなくなる』ことこそ悪だと思うんですよね。
思考しなくなるがゆえ、行動力も落ちてしまうから。
思考し、行動する大切さを思い出させてくれる一冊でした。
どこかで読んだことあるような内容だけど
中学・高校生でもわかるように書かれているのが良いですね。
まとめ
将来、自分の子どもと一緒に読みたい。
そんな一冊でした。
ではまた
なぎ