ビジネス書の中でもかなり有名な一冊
稲盛和夫氏の『生き方』を読みました。
いつ読んでも何かしら響く言葉が必ずある
そう思わずにはいられないほど
人生哲学に富んだ一冊でした。
僕はAmazonオーディブルで聴いたので
その点についても合わせて
感想を綴っていきたいと思います。
結論│繰り返し聴く価値のある一冊
聴く回数が増えるにつれて
心に響く言葉が増えていく。
何度でも聴きたくなる本でした。
自分の行動を変えようと思える
心に響く言葉がいくつも登場します。
後半の宗教的な部分だったり
『神が~』みたいな部分については
正直、自分にはよくわからなかったけど
仕事や人としての生き方については
学び・気づきの宝庫でした。
一度読んだ(聴いた)だけでは
『なんかいいこと言ってるな~』
そんなありきたりな感想で終わってしまい
自分の行動を変えることはできないかな。
繰り返し聴いて(読む)初めて
『少し取り入れてみようかな』と思える。
- とことん仕事を好きになる
- まずは心から切望する
僕が取り入れようと思っているのはこの2つ。
示唆してくれている考え方を実践して
行動を変えようと思えるようになりました。
京セラ・KDDIといった日本を代表する企業を創設し、長年経営に携わってきた実績があるからこそ自身の実体験から『どのように生きるべきか』へと昇華させて、人生哲学を伝えてくれているのだと感じました。
オーディオブックだから楽しめる名作だ
普通の活字だったら
最後まで読めなかった。
オーディブルだから
何度も繰り返して
楽しめました。
繰り返し聴くことできたおかげで
名著と言われている所以が
ほんの少しわかったような気がします。
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書評│感想を綴っていくよ
心に残った言葉・エピソードを綴っておきたい
とことん仕事を好きになれ│寝食を忘れるほどに
本書の冒頭は『仕事について』綴っています。
とにかく仕事を好きになること
稲盛さん自身の実体験から
仕事を好きになる重要性を説いていました。
- 『寝食を忘れるほどに仕事をしていた』
- 『給料の遅延が気にならないほど仕事に打ち込んだ』
そんな表現が幾度となく出てきます。
成功する人は、例外なく仕事が好き。
「仕事を好きになれ」と皆が言いますよね。
今の時代に合わないんじゃない?
そう思う気持ちもよくわかります。
『そんなに働くなんてバカバカしい』
『ただのブラック企業じゃん』
斜に構えて批判したくなるのも痛いほどわかる。
でも、ちょっと待って。
『好きだからいくらでもできる』
これが真意だと思うのです。
本当に好きな仕事だったら
いくらでもできちゃうだろうし
むしろやりたいとすら思ってしまう。
寝食を忘れるほどに。
そんな仕事を僕もしていきたいな。
心から切望せよ│『思わんとあきまへんなあ』
心から願わなければ叶わない
非常にスピリチュアルだと思ったのですが
エピソードを聞いて妙に納得してしまいました。
松下幸之助氏の講演に触れていたんですね。
講演のなかで『企業経営では事業の調子のよいときにダム(別事業などのこと)を作っておく必要がある』という趣旨の話が出ていました。
講演に参加していた他の経営者とっては
『調子のよいときに事業を分散させる』
そんなことは当たり前のこと。
『ダムの重要性は痛いほどわかる。いまさらその重要性を教えられても困る。どうやったらそのダムが作れるのかが知りたいのだ』
そう質問したときの答えが秀逸でした。
『私にも答えはわからない。ただ、ダムをつくろうと思わんとあきまへんなあ』
「思わんとあきまへんなあ」
この一言が稲盛氏にも響いたんだとか。
思ったことしか実現はありえない。
まずは思うことからだ。
シンプルだけど、真実だと思う。
『思うこと』の範囲をどれだけ広げて
その中からどれだけ行動にうつしていけるか。
心から切望することから始めたい。
人生の目的は?│『生まれた時よりも良い魂で死んでいくための修行』
心を高め、魂を練磨せよ
これもまたスピリチュアルで
僕にはよくわからない部分だけれど。
人間が生を与えられた意味について
『魂を磨く』ことであると説いていました。
いつかこの言葉に救われる瞬間って
あるんじゃないかな?とは思うのです。
宗教(仏教かな?)の入り口とも思える言葉。
いつか振り返ったときに
今とは違う感じ方をするんだろうな。
具体的には?│『利他の精神』で生きるということ
「他人のために」を第一に置いて生きよ
そんな道徳的な教えかな?と思いました。
稲盛氏の体現してきたことが
鳥肌が立つほど素晴らしかったので
ここで紹介しておきますね。
KDDIを創設したときのこと。稲盛氏は私利私欲を一切介さずに、『1株も保有しない』という選択をした。
創業者が株を持って大儲けするっていかにもありがちな話ですし、僕はそれが動機なっても良いと思っていたんですよ。
でも、稲盛氏はそれをしなかった。
『神が与えてくれた財産を私腹を肥やすことに使うなんて間違っている』とすらおっしゃっていて、どれほど達観したら同じ考えに至ることができるんだろう?と思ってしまいました。キャピタルゲインを辞退するのもそうだけど、ここまで徹底的に他者のためを思って生きることが、僕には到底できないなあと。
利他の精神は『利己』でもあるという矛盾
『利他の精神』の大切さは言わずもがな
身に染みてよくわかりましたね。
大事なのは、必ずといっていいほど『利己』にもなっているということ。小集団の利他の精神が第三者からみて『利己』となる場合がある、そのことにもしっかりと触れていました。
僕は常々『自分の身近な人を幸せにできない人が、地域や社会を幸せにできるはずがない。だから、まずは身近な人を幸せにしたい』そう思ってきたのだけれど、必ずしも身近な幸せの先に、もっと大きな単位での幸せがあるわけではないんだという気づきを得ました。
だからどうするのか?と言われると
いますぐ答えは出せないんだけどね。
『誰かのため』が利己にならないように
考える視点を持つことが大事なのかな。
燃える人材であれ│『自然性・可燃性・不燃性』という例え
- 自然性:自ら燃える(自発的に仕事に打ち込める)
- 可燃性:火を近づけると燃える(周囲にやる気のある人がいれば一緒に頑張れる)
- 不燃性:燃えない(仕事に精を出さない人)
「人間は3種類に分けられる」という趣旨を
おっしゃっていたのも印象的だった。
いまの自分はどうか?
うーん、可燃性でしかないかな。
不燃性にならないように努めよう。
まとめ│ 『現代には合わない』と一蹴したくなる
- 仕事をとことん好きになれ
- 心の底から切望せよ
- 魂を練磨せよ
- 利他の精神を持って生きよ
こういった道徳観・倫理観を説いた言葉って
たくさん並べられてしまうだけで
『いまの時代にはあわないよ』
そう一蹴したくなるけれど
自分の人生に少し取り入れてみてから
判断しても遅くないんじゃないかな。
そう思えるようになりました。
稲盛さんが実体験から導いた人生哲学をね。
自分なりに行動を変えてみます。
ではまた
なぎ