僕は大学時代、ギャンブル依存症だった。
当時は自覚など皆無。
いま、振り返ってみて依存していたと思うのです。
事の始まりは約6年前、19歳~20歳の頃。
当時お付き合いしていた女性と別れ(振られた)
時間をもてあました結果、辿りついた先がギャンブル。
『狂気』という言葉がぴったりなほどのめり込みました。
『損をする』なんて当たり前のことは知っています。
それでもハマってしまうんです。
射幸心を煽られて脳内が狂ってしまう。
いま思い返しても本当に恐ろしい。
どれほど重症だったのかを箇条書きにしておきます。
- 時間ができるとパチンコ店に行っていた
- 勝つために閉店間際の台チェックをしていた
- 嫌煙家のはずがタバコ臭さも我慢できた
- 多少負けても寝て起きたら行きたくなっていた
- 何故か勝てる気がするときがあった
- 金銭感覚がおかしくなった(1万円くらい余裕)
- 貯めていたお金は全てスロットで失った
- 手をつけてはいけないお金に手をつけ、失った。
- 友達との予定に遅れることもゼロではない
借金をしなかったのが不幸中の幸い。
本記事では実体験からギャンブル依存症の怖さをお伝えします。大学生の皆さんがパチンコ/スロットにハマらない...ギャンブル依存症にならないことを願って。
既にハマちゃってるよ!という方。
僕がどのように克服したのか?を綴っておくので
参考にしていただければと思います。
- 【実体験】僕はこうしてギャンブル依存症になった
- 【脱パチンコ・脱スロット】ほぼ無意味だった行為
- 【パチンコ・スロットを辞める】本当に意味のあった方法
- 完全に辞められたのは大学院生の頃だった
- 【最後に】青春を謳歌している大学生の皆さんへ
【実体験】僕はこうしてギャンブル依存症になった
【先輩の誘い】最初は軽い気持ちだった
『バイト終わったらスロット打ちに行こうぜ。楽しいから、教えてあげるよ』
そんな甘い言葉をかけてきたのはバイト先の先輩だった。バイトを始めてまだ日が浅かったこともあって、先輩からの誘いは基本的に断らないスタンスを貫いていた。もちろん、ギャンブルの誘いにも二つ返事で行ってしまった。悪夢の始まりはここからだった。
『まずは簡単な台のほうが良いから、これにしよう』
そういって座ったのがジャグラーという初心者向けのスロットだった。1000円とコイン50枚を引き換えにして、3枚で1回まわすことができる。大当たりを引いたら台のランプが光るから初心者でもわかりやすいとのことだった。
一瞬にして1000円がなくなった。
こんな経験は初めてだった。「うわ、損した。もうやりたくないなあ...」と心の中で思ったが隣りに座る先輩に煽られてしまった手前、意地もあってさらにお金を使っていた。
結果、1時間で6000円も負けた。
先輩は1万円も買っていた。ビギナーズラックとかいうけど、そんなの嘘だ。ビギナーズバットエンドだった。いや、ここで辞められれば本当はハッピーエンドだったのかもしれない。
これが僕の初めてのギャンブル(パチンコ店)経験。
今でも、どの店のどの台に座ったのかを強烈に覚えている。
たぶん、一生忘れない。
失恋がきっかけで一人でも行くようになった19歳の冬
初めて行った日から先輩から誘いを受けることがなくなった。前回負けたときに「二度と行きません!」なんて言ってしまったからかもしれない。おかげさまで数ヵ月間は行かなかった。失恋をするまでは。
失恋を機に、時間をもてあますようになった僕は気がつくとパチンコ店に向かっていた。『寂しさを紛らわすためなら少しくらい良いだろう』誰かに言い訳をするかのように自分を甘やかしてしまった。
何回目か忘れたけど、初めて勝つことができた。
お金がちょっとだけ増えたことが嬉しかった。
帰り道に喜々として家族にアイスを買って帰った。
ギャンブルで増やしたお金で買ったアイスに
一体何の価値があるのだろう?
僕の心は全然満たされなかった。
気付くと暇ができたら行くようになっていた
一度勝つことの味を覚えてしまったら、もう簡単には抜けられない。バイトの前後、大学の授業を終えた帰宅途中、休日の暇な時間などなど。スキマ時間ができたらパチンコ店に通うようになっていた。
ときには千円が一瞬にして数万円に化けたりすることも。
でも、基本的には緩やかに負け続けていたと思う。
「収支をつけると良い、負けるのを自覚して辞めたくなるから」なんてアドバイスをギャンブル好きな友人からもらったような気がするけど、めんどくさくてつけていなかった。(その後1ヶ月ほど収支表をつけてみたものの、ギャンブルを辞めるほどの成果は得られなかった。)
いろんな機種を試し打ちはしてみたものの、基本的にはギャンブル性の低い機種(ジャグラー)ばかり打っていたので負けても1回で1万円ほどだし...まあいいか!なんて考えて居た。塵も積もれば山となるというのは言い得て妙だ。
数十万円あった貯金も、10万、5万と減っていき、
ついには1000円を引き出せないまでに追い詰められていた。
- 負けて財布の中が空になる→ATMに駆け込む
この行為を自然としてしまったときに
自分がギャンブル依存症であると初めて自覚した。
先輩に初めて連れていってもらった日から
1年も経っていなかったと思う。
お金がなくなるのにパチンコ・スロットの何が楽しいの?
当たったときの快感。
お金が増えるかも?!
そんな高揚感。
タバコ臭いのは嫌いなのに。
お金が減るのはわかっているのに。
うるさくて嫌なのに。
それでもいってしまうのは『当たったときが快感だから』お金が増えるかもしれない!(長期的には減る)冷静になってみると愚かな行為だとわかっているのになかなか辞められない。
だって病気だからね。一度なってしまうと抜けだすのがめちゃくちゃ大変。
どの程度ギャンブルに依存していたのか?
打つ→大負けする→もう二度とやらないと心に誓う
(翌日)なぜかパチンコ店にいる
パチンコ・スロットにハマっている人は激しく頷いてくれると思う。
そうでない人には意味がわからない感覚だと思うが、病気なのだから経験のない人では理解できなくても仕方ない。
でもごくごく普通の大学生でも、かかってしまうのだということは覚えておいてほしい。僕がどの程度、ギャンブルに依存していたのかを記しておきたい。
- 授業をサボる。
- お金を借りてでも行ってしまう。
- バイトをサボる。
- デートの誘いを断る
- 友人との約束をすっぽかす
重度のギャンブル依存症の場合だと上記のような症状が現れると思うが、僕はもう少し軽度だった。
- 暇があると行ってしまう
- バイト前後に行く
- 借金は一切しない
- 他の予定があれば我慢できる
- 他のことをしていれば忘れられる
こうして比較をしてみるとまだ軽度のように思えるが、それでも克服するのはめちゃくちゃ大変だった。いろんな試みをしたが効果があったのは限られたものだけだった。
心から辞めたいと思った
もう、辞めたい。
お金が底を尽き、タバコ臭い自分だけがいる現実。
情けない話だが、自分の力だけでは無理だった。
そんな実体験を綴っていく。
【脱パチンコ・脱スロット】ほぼ無意味だった行為
1.お札を持たないで生活する
お札(1000円)がなければ打つことはできないから。
意識的に小銭しか持ち歩かないようにした。クレジットカードは当時まだ持っていなかったのでクレカがあればもう少し結果は変わっていたのかもしれない。
お札を持ち歩かない作戦は短期的には効果があったが長くは続かなかった。
そもそもお札を持って居ないって人と会うときめちゃくちゃダサいことに気付いてしまった。打ちたい欲求に駆られると、何らかの手段をつかってお札を手にしてしまうからマジで無意味。
2.収支表をつけてみる
これも辞めるという面では意味がなかった。負けているのはお金が底をつきていたからわかっていたから。『負けないように立ちまわるようになった』からむしろ抜けだすことからは遠ざかっていたかも。『勝ちにこだわる』とそれはそれで辞められなくなる。
3.スロットアプリをインストールする
余計にやりたくなった
アプリで打っていれば満足するのでは?なんて考えて1000円くらい課金してみた。なぜかこの1000円はめちゃくちゃ躊躇したことをよく覚えている。実際にスロットを打っているときの1000円は全く躊躇しないのに。金銭感覚がおかしくなっている証拠。
4.1円パチンコ/5円スロットにする
レートを下げた途端につまらないと感じると思う。
『レート下げる→つまらないと感じる→辞める』
こんな流れが理想だけど、現実はそう上手くできていない。
『レートを下げる→つまらない→レートを戻す』
馬鹿だな!と思うかもしれない。
でも、現実はそんなもの。
『レートを下げてパチンコ・スロットをしている自分を受けいれる』のではなくて、抜本的な対策が必要だということを肝に銘じておかなければならない。
5.週に○回まで!等のルールを紙に書き出す
自分に甘かった
『もうスロット辞めたい』と強く思っていてもなかなかやめられない状況のときに実施したのが『ルールを紙に書き出して見える位置に貼る』というもの。
6.他の予定を入れまくる【効果小】
意外と効果あり!
僕は軽度のギャンブル依存症だったため、他の予定よりも優先させてギャンブルをすることがなかったのが不幸中の幸いだった。
他の予定が入っていることでスロットをしている時間は大幅に減ったと思う。
ただパチンコ店は22:45までやっているのが厄介。他の予定をどんなに入れていても毎日22:45まで...というのはかなり厳しかった。
7.ジムに通ってみる【効果中】
パチンコ→ジムという流れができたことで遊戯時間が減ったのは間違いない。
ジム代を高い(月1万円くらい)と感じてしまい、半年ほどで辞めてしまった。
友人を誘わなかったのが敗因だと思っている。
一日で1万円負けることもあったのに、ジム代を高いと感じるっていうのも恐ろしい話だ。
8.スケジュールを15分単位で管理する
ギャンブルに嵌っているときは『なんとなく過ごしている時間』や移動の際のスキマ時間が大量にあることに気付き、パチンコ店が開店する9時~22時45分までを15分単位で管理してみた。
たった3日で挫折。
ギャンブル依存=自己管理がほとんど出来ない状態、ということを肝に銘じておこう。自力で抜けだすのは相当難しい。
【パチンコ・スロットを辞める】本当に意味のあった方法
1.【ブログ推奨?!】ギャンブル以外の趣味をみつける
ギャンブル以外の趣味をみつければ100%辞められる!とまでは言わないが、行く時間は確実に減るはずだ。少しずつ矯正してみよう。できれば一人ではなくて誰かと一緒にやる趣味のほうが良いだろう。周囲の協力が必要不可欠だが、状況をきちんと伝えてできる限り多くの人に協力してもらおう。
- ボーリング
- 旅行(月一で小旅行)
- スポーツ(水泳、卓球、バスケ)
- バイト(を増やす)
- 筋トレ(ジムで)
- 飲み会(友人を誘って)
- 映画(友人を誘って)
20歳そこそこの僕が当時取り組んだ趣味?だ。『友人との約束を必ず優先させる』決意のもとで様々な活動をした結果、ギャンブルを辞めるきっかけになった。『ギャンブルより楽しいし、お金も減らない』そんな事実に気付けたから。
いまの僕なら、【ブログを書くこと】をおすすめする。ブログを書き続ければパチンコよりも大金を稼げる可能性を秘めているから。一人でやることだから大変だけど。
2.【大切な人のため】周囲に宣言する
これが最も効果があったと思う。
性格的な側面が大きいとはいえ徹底できればかなり効くはずだ。
- 彼女をつくって宣言する
- 家族に宣言する
- 友人たちに宣言する
『助けてほしい』ということをきちんと伝えれば
あなたの力になってくれる人は必ずいる。
中学時代の親友に頼った
彼女に振られてからハマってしまった僕は、当然ながら彼女に頼るなんて選択肢は皆無。中学時代の親友と久しぶりに会い、思いっきり激励してもらって目が覚めたように行かなくなった。事の詳細は割愛するが、自分のことのように真剣に考えて向き合ってくれた。
「ギャンブルする奴とはもう二度と会わない」
そんなストレートの言葉が心に突き刺さった。
恥ずかしがらずに周囲に頼ろう。
3.【友人の例】パチンコ店でバイトする
ギャンブル依存症だった僕の友人はパチンコ店でバイトを始めて克服しました。
- お店がいかに儲けているかを痛感
- 店員の目からみた客の虚しさを知った
- 店長の人柄が糞すぎて嫌気がさした
- パチンコ店にお金を吸い取られるのが嫌になった
- バイト以外でお店にいるのが嫌になった
ある意味、賢い克服方法かもしれませんね。
本当にピタっと辞めたからビックリしました。
完全に辞められたのは大学院生の頃だった
その後、無事に彼女ができて完全にギャンブルを辞められた...はずだった。ギャンブル依存症を克服した!と確信していた。それでも「ちょっとくらいいかな」なんて甘えが出てしまい、先輩や友人から誘われたら行ってしまう程度には意志が弱かった。月に一度あるかないかくらいだから、まあいいだろう。そんな風に思っていた。本当に情けない話だ。親友にはひたすら隠していた。もちろん彼女にも。僕は罪悪感に押しつぶされそうになっていった。
なぜこんな情けない昔の話を綴っているのかといえば『ギャンブルは本当に時間を無駄にする愚行で、抜け出すのがめちゃくちゃ大変だ』ということを伝えたかったから。
僕がパチンコ店に一切行かなくなったのは『ブログを始めた頃』で、ちょうどM2の終わりくらい。ギャンブルに嵌る以上にブログにはまることができたからだった。
あの頃の情熱を、もう一度取り戻したい。
【最後に】青春を謳歌している大学生の皆さんへ
ギャンブルには行かないで。
僕は気軽に行ってしまったがゆえに、気付いたときにはハマってしまった。
あのとき先輩の誘いを断っていれば。
強い意志を持って二度と行かないという言葉を守れていれば。
そんな風にいま心の底から後悔しているから。
お金を失ったからというのも少なからずあるけれど『費やした時間の多さ』に一番後悔していて。
大学生、しかも10代最後の貴重な時間を無意味なギャンブルに費やしてしまったことは、残念ながらもう変えられない。
僕の想いは一つ。
同じ過ちを、いま大学生の皆さんに犯してほしくない。
その一心で本記事を書き上げてみた。
どうか、ギャンブルに嵌らないでほしい。
ではまた。
なぎ